杉田 智子
ゆっくり本を読んで過ごす時間を大切にしています。
「NYに留学していた時に、現地の図書館がすごくかっこよくて(笑)その空気を味わいたくて、毎日のように通っていました。私が読めるような洋書は少なかったけど、パラパラいろん本をめくっていくうちに、なんとなく洋書に抵抗がなくなって、今でも未翻訳のものを原書で読んだりします。
半分くらい意味が分からないこともありますが、それでいいかなって思ってます。
いい意味で肩の力が抜けました。」
とても真面目な杉田さんだからこそ留学前には悩む日もあったそうです。
「英語は好きだったんですけど、ほかに留学するような理由がなくて、そんなんでいいのかなって思っていました。
なんとなくで留学する人が多いけど、行くならちゃんと目的をもって行きたいなって思ってたんです。
結局は語学留学になっちゃいましたけど、何か人と違うことをしてやろうと思って、図書館に通ってみたんですね」
今、そして未来
「20代半ばの頃は、自分自身も時間の流れももっとずっと目まぐるしくて。
あと40年の間に何ができるだろうって、
理想の65歳を想像してそれまでにすべきことを書き出したり(笑)。
でもそれを息苦しく感じてきたときがあって、今の自分が本当にやりたいこと、
好きなことは何だろうって、改めて考えてみたんです」
結婚する人生、しない人生、どちらも幸せかなって
「それこそ昔は『27歳で結婚して、子供産んで……』なんて考えてましたね。
だからその年齢になったときには、ひそかに焦ったりもしたけれど。
でも今は幸せのかたちは人それぞれって、素直に思える。
"結婚するならドキドキより安心感をとるべき"とか"親には早く子供を見せてあげるといいよ"とか、
そう耳にすることはあっても、それに捉われて色々なことを無理して選択するのはやめよう、って。
今の積み重ねが未来をつくるから、まずは今の自分や大切な人たちに正直に誠実に生きないと」
これからの自分
「仕事では、若い頃はこんなにディスカッションできなかったなぁ」という彼女。
同世代のスタッフが増えた近頃は、仕事への取り組み方がまた変わってきたという。
「20代前半までは今よりもっと発展途上だったし、
感じたことを年上のスタッフさんに提案することは失礼では、
という思いもあって。求められるものを最高のかたちで表現することを何よりも目指していました」
同世代の仲間が増えてくると「意見を交わし合ったり、膝を突き合わせて考えたり。
みんなでひとつのものをつくっている感覚が、より強くなってきた」
将来ひとつの作品をつくることを目指して、
同じ’86年生まれのメンバーで集まったりもしているという。
「自分たちの世代が頑張っている姿は刺激にもなるし私もその前線にいられるように頑張りたいですね。
これから迎える30代は、勢いがある。夢がある。
現実も知ってる。すごくいい年代だと思うから」
「よく『人は変われる』なんて言うけれど、それって実は、
短所だと思っていた部分が長所になったり、
長所がもっと伸びたというだけで。
内に秘めたちからや才能がいいかたちで表に出てくることが、
私たちが目指すところの〝進化〞だと思うんです。だから自分を、
未来を変えたいなら、まずは自分自身ととことん向き合って、
まだ気づいていない魅力や好きなところをたくさん見つけてあげたい」
© 2018.